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Der Wächter

海の街として知られるキールに、芝生の上へ腰を下ろした一本のブロンズ像があります。クルト・レーマンが1960年代の初めに手がけた「デア・ヴェヒター(Der Wächter)」で、街なかでひときわ目を引く銀行の建物の正面に据えられています。像は角張った、強く抽象化された男性の坐像で、細部はそぎ落とされ、人間の姿がうかがえる程度にまで抑え込まれています。

レーマンは、それまで主流だった写実的な作風からあえて離れ、形そのものの遊びを中心に置いた作家でした。人間の姿は明快に定義されるよりも暗示されるだけで、その流れるようなフォルムが、周囲の建築の厳格な幾何学とぶつかることで、いっそう際立って見えます。作家自身は1905年にコブレンツに生まれ、1924年から1929年までカッセルの州立美術アカデミーで学びました。1931年からはベルリンに暮らし、1934年にカッセルへ戻りますが、1940年から1945年までは兵士として従軍し、カッセルのアトリエを失いました。それでも1949年から1969年までハノーファーの工科大学で彫刻の教授を務め、1955年には第1回ドクメンタに参加しています。晩年はシュトゥーフェン・イム・ブライスガウに住み、2000年にハノーファーで亡くなりました。

この像の見どころは、人物を確かな輪郭で固めず、誇張された比率だけを頼りに立ち上げるところにあります。銀行の正面が直線の幾何学で組み上げられているその場所で、芝生に座るブロンズの塊だけが、ほどけたまま流れるような形を保っています。

都市
キール
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