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The Fridge

ノルウェーの港の岸壁、ソールイェテーン(Sørjeteen)に立つ旧冷凍倉庫は、いまでは建物全体が一枚の絵になっています。画家クリス・レディが手がけた壁画「The Fridge」は、波形の鉄板も削れたコンクリートも閉ざされた積み込み扉も、途切れのない画面に包み込みます。波止場の向こうからでも全体が読み取れ、足を近づければ筆の運びと色の層が現れる、距離によって表情を変える作品です。

この建物はかつて、氷、冷蔵、出荷を待つ魚箱のためにだけ存在していました。レディの制作はその歴史を消さず、産業的なリズムを構図の中に残しつつ、公共の場の語りへと置き直します。お披露目の日には、港湾局長ハルヴァル・ペテルセンが来場者を迎え、副市長アンニ・スクグマンが都市空間における芸術について語り、レディ自身も制作の考えを説明しました。命名の役目は青少年議会のアストリッド・ヨハネッセンが務め、あとにはケーキも出ました。

いまでは漁師も通勤客も夕方の散歩の人も、この絵を道すがらの風景として通り、子どもたちは壁の影で遊んでいます。光とともに見え方が変わるのも、この壁画の性質です。頭を傾げると顔料と金属の上を光が滑り、夕暮れにだけ現れる細部と、昼の明るさの中では見逃せない細部とに分かれます。過去を覚えたままの建物が、光の時間ごとに新しい顔を見せる。その変化こそが、ここを訪れた記憶に残るものです。

都市
トロムソー
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