Martha Rosenbaum
ドイツ南部のメミンゲンで、マーサ・ローゼンバウムと夫ベンノを追悼するシュトルパーシュタインが歩道に埋め込まれています。小さな真鍮のプレートは、ナチ政権の犠牲者が最後に自ら選んだ住居の前に置かれています。街なかで足元に視線を落とすと、迫害された一人ひとりの記憶に出会えます。
ローゼンバウム夫妻はメミンゲンでヴィラを所有し、チーズ商を営みました。ベンノは一九三二年にユダヤ人共同体の会長を務めましたが、一九三八年の「水晶の夜」の翌日、親衛隊が自宅を荒らし、財産を没収しました。夫妻は一九四一年に南アメリカへ逃れ、ベンノは一九四四年に自ら命を絶ちました。二人の石は二〇一九年十二月に設置され、芸術家グンター・デムニヒが一九九〇年代に始めた追悼活動の一部です。メミンゲンの舗道に光る真鍮が、失われた暮らしと強制された逃避の跡を静かに伝えます。
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