Casa Vicens
バルセロナのグラシア地区に立つCasa Vicensは、アントニ・ガウディが手がけた初期モダニズム建築です。1883年から1885年にかけて、実業家マヌエル・ビセンスの夏の邸宅として建てられました。直線的な構成に、鮮やかな陶磁器タイル、ムデハル様式を思わせる装飾、ムーア風アーチ、露出したレンガの柱が並びます。
近東やインド、ペルシア、日本、さらにイスラム圏の建築から影響を受けた、ガウディの東洋趣味の時代を示す建物です。もとは大きな庭園を備えていましたが、敷地の分割と売却を経て、現在は邸宅と小さな周辺空間が残っています。1925年には弟子のジョアン・バプティスタ・セラが増築し、独立した建物になりました。
内部には地下室、ワインセラー、玄関、食堂、台所、寝室、図書室、使用人用の屋根裏、屋上テラスがあります。敷地で見つかった黄色いインドカーネーションはタイルの模様になり、パルメットヤシは鋳鉄製の門の意匠に生かされました。1969年の歴史芸術記念物指定を経て、2005年には世界遺産に登録されています。車いすで利用できる建築として、ガウディの出発点を具体的に眺められます。
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