IBN TULUM MOSQUE
イブン・トゥールーン・モスクは、エジプトのカイロに残る、最大級かつ最古級のモスクの一つです。簡素なレンガの壁にアーチと壁龕が連なり、広い中庭にはゆっくりと光が差し込みます。街の音が遠のく静けさと、レンガと影がつくる幾何学的な美しさを感じられます。
9世紀、バグダードから派遣された総督アフマド・イブン・トゥールーンが、軍全体を礼拝に収容できる場所として建設を命じました。初期アッバース朝様式の大きなアーケードは、地上から空へ広がる開放感を生み出しています。火災や荒廃、修復を経ても、建物はよく保たれ、現在も礼拝に使われています。
最も目を引くのは、外側に螺旋階段を備えた高いミナレットです。下から見上げると、石の帯がほどけるように空へ伸び、エジプトでは珍しい形にメソポタミアの影響が表れています。中庭の敷石を渡る光と、入口で薄れていくカイロの喧騒が、ここに残る静寂を印象づけます。
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